a fragrant olive【ONE PIECE】
第11章 a fragrant olive
目を覚まして数日。
身体が少し回復し、俺は先生から今までの事を説明された。
あの日、海軍が島に上陸し船医として先生が乗り合わせていた事。
傷と出血量から生存が絶望的と思われたが、微かに息をしていた俺を先生が海軍上層部に掛け合い、船で懸命な治療を施したこと。
かなりの銃弾を受けていたが、奇跡的に急所は外れていた事。
そして、あの日から2カ月が経過している事。
先生に少年が保護されているか聞いて、1人保護されていると聞いた。
だが特徴はローとは全く違う人間でローの安否は不明。
ただ子供の死体は見つかっていないと先生に言われたのでおそらく逃げ切れたのだろう。
俺は生きてはいるが命を賭けて守った未来ある命だ。良かった。
「うん、目覚めてからの回復が早いですね。もう少し回復したらリハビリしましょう」
「あぁ…ありがとな先生」
先生は俺の怪我の具合を見ながらカルテを書いていく。
怪我は回復しているが、重傷に変わりはないのでベッドに安静する日が続いている。
個人的には早く治して彼女の元に行きたいのだが、彼女にバレて心配をかけてしまうと言われてしまい、大人しくしている。
「あと、海軍としてですが…本当に退役でよろしいんですか?」
「あぁ」
俺は今回を機に海軍を退役する事に決めた。
兄の件は自分の不甲斐なさが原因。その責任はとる。
あと怪我の後遺症なのか両手にしびれが残ってしまった。
これでは満足に闘えない。
軍に留まるのも一つの選択肢としてあったが、島で待つ彼女の為にも闘いから身を引こうと決意した。
「……待たせてるからな、早く帰ってやらねぇと」
俺は先生にニッと笑うと先生も笑い返してくれた。