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a fragrant olive【ONE PIECE】

第11章 a fragrant olive


『すまねぇ…リオ…』
ガチャンッ!

私はふと聞こえた声に持っていたティーカップを床に落とした。
カップは粉々に割れて、中に入っていた紅茶が床を濡らす。


「リオ?どうし…」
レイモンドさんは割れる音を聞き、私が紅茶を淹れていたキッチンへ顔を出す。
床で割れているカップと呆然としている私を見て、慌てて駆け寄ってきた。
「大丈夫か!?怪我は…」
「だ、大丈夫…です…」
「ここは俺が片付けるからリビングで休みなさい、顔色があまり良くない」

レイモンドさんは私をリビングに連れていき、ソファーに座らせるとキッチンのカップを片付けに行った。



私は先ほどの声が気になった。

聞き間違える事のない彼の声。
息絶え絶えの掠れているような声。
そして私に謝罪している言葉。


なぜ彼は私に謝罪しているのか。



『あと、もし何かあって…彼が死にそうで…君を生きて逃がそうとしたなら、あなたは生きて』




なぜ今、ロー君に言った言葉が頭を巡るのか。

考えたくなかった最悪の事態が起こってしまったのだろうか。





いや、彼は必ず帰ってくる。
私が信じないでどうする。


私はあの日もらったクローバーのネックレスに触れる。
彼からもらった日からずっと身に着けている物。

永遠の絆、約束。

クローバーとイエローダイヤモンドの言葉。





「……ロシナンテさん」

私は今日も、あなたの帰りを待ってます。
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