a fragrant olive【ONE PIECE】
第10章 Purple anemone
「なぁ、リオに聞いても良いか?」
「ん?」
「コラさん…海兵なのか…?」
少し不安気に尋ねるロー君。
「……ロー君はどう思う?」
「政府も海兵も嫌いだ!……でも、コラさんは海兵でも…」
「……私の昔話ってコラさんから聞いた事ある?」
「レイモンドに聞いた。とある機関の実験体だったって…」
「……私ね、ロー君と同じで政府に故郷も家族も壊されたの。そしてそのまま実験体にされてて、彼に助けてもらって今ここにいるの」
彼の立場上、私から海兵だとはっきり言えない。
でも賢い彼であれば、レイモンドさんからどこで彼と出会ったか聞いていれば私の話を聞いてある程度は察することは出来るだろう。
「ごめんね。私からこれ以上詳しくは言えない。でも、彼のロー君に対する愛情は本物だよ」
「あ、愛情…」
「ロー君、私から君にお願いしても良い?」
13歳のロー君にお願いすることは間違っている。
でも、この島で彼の帰りを待つだけの私には出来ない事。
「彼を…お願いね。困っていたり怪我しそうだったら手助けしてあげて」
「そうなの当たり前…」
「あと、もし何かあって…彼が死にそうで…君を生きて逃がそうとしたなら
あなたは生きて」
本当は考えたくない、彼がこの世を去るような出来事に瀕した時。
きっと優しい彼はロー君を優先させるだろう。
彼はそういう人だ。