a fragrant olive【ONE PIECE】
第10章 Purple anemone
翌日、私は彼にお願いしてロー君といつも行く野原に来ていた。
ロー君は目の見えない私を気遣ってくれて障害物を細かく教えてくれる。
4年間通い慣れた道なので障害物の場所は熟知しているのだが、そんなロー君がとても可愛くてロー君が教えてくれた通りに歩いていた。
「うわぁ…すげぇ…」
野原に着いた私の耳に届いたのはロー君の言葉。
私には見えないが、野原は少し小高い場所にあるから綺麗な光景が見えたんだろう。
「ロー君、こっち座ろうか」
野原の近くに設置されていたベンチへロー君と向かって歩く。
私の為に島の人が作ってくれたのだが、野原に寝ころんでしまう私はあまり使わない。
二人でベンチに腰を掛ける。
「ロー君、ロシ…コラさんとの航海はどう?」
「そうだな…」
ロー君は彼との出会いや航海について教えてくれた。
最初にゴミ山に投げられた事。
よく煙草の火がコートに燃え移る事。
なんでも無い所で転ぶ事。
いきなり治療法探しで連れ出された事。
どこに行っても自分は忌み嫌われ、彼はその度に医者に怒っていた事。
そして、自分の為に涙を流してくれたこ事。
最初のだけ驚いたけど、それ以外の彼は相変わらず。
ドジっ子でとても優しい人なんだ。