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a fragrant olive【ONE PIECE】

第10章  Purple anemone


その日の夜、島の奴らが俺とローの歓迎と称して宴を開き、どんちゃん騒ぎをした。
俺も彼女の隣で酒を飲んでいた。
ローはレイモンドの元で話をしているからおそらく医療関係の話なんだろう。

「ロシナンテさん」

不意に彼女に名前を呼ばれ、俺は彼女を見る。
「どうした?」
「出航って…いつ頃ですか?」
「出航か…2日後だな。明日は1日島にいる予定だ」
「……あの、明日ロー君と二人きりでお話したいんですけど…」
「ローと?」

彼女がローと話をしたいと言うと思わなかった。
何を話したいのだろうかと思ったが、彼女とローには悲しい共通点がある。


政府に故郷を壊されている過去。


きっと何か思うことがあるのだろう。


「わかった。ローには俺から話しておく」
「ありがとうございます」
微笑む彼女が愛おしくて俺は彼女の肩を抱く。

「次帰った時にはリオが好きな事を一緒にやろうな」
「海軍はどうするんですか?」
「んー…まぁその時に考えるさ」
「ふふ、私はロシナンテさんが無事に帰ってきてくれればいいんです」

いつか、いつか彼女と。
兄の件で未だ命の保証はない。
それでも待っててくれる人がいるから
またここに帰ってこれると信じる事が出来た。






そして俺は宴後にローに先ほどの彼女と交わした話をする。
「リオが俺と?」
ローは不思議そうに俺にそう尋ねる。
「あぁ、二人きりで話がしたいらしい。」
「……わかった」

承諾してくれたローに礼を言い、俺は彼女と歩く時の注意事項をローに叩き込んでいった。
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