• テキストサイズ

a fragrant olive【ONE PIECE】

第10章  Purple anemone


「……あの日、俺はお前に言ったよな」


“全部終わらせてここに帰って来た時…さっきの言葉の返事を言う“

覚えている。忘れる事はない。




「……今言ってもいいか?」
「え…?」


彼の言葉と同時に私の頬に温かな手のぬくもりを感じる。
彼が私の頬に手を添えているのだろう。

「お前の初恋…俺なんかにくれてありがとう」
「はい…」
「お前に出会えて…こんなに他人を守りたいって思ったのも初めてだ。ずっと、ずっと守っていきてぇ」






「リオ、お前の事が好きだ」




彼の優しい、大好きな声でそう告げられた。






あぁ。今日はなんて日なんだろう。
こんなに幸せでいいのか。
彼に再会できて、彼と金木犀を見に来て
彼の思いを聞かせてもらった。

私は涙があふれ、止める事なんて出来なかった。
彼の指が私の目元で涙を拭うように動くのがわかる。
きっと少し困った顔をしているのだろう。








「リオ…」
彼が私の名前を呼んだ瞬間
「ん…っ」
私の唇に柔らかい感触が当たる。
これは彼の唇。私は彼にキスをされている


触れるだけのキス。
彼の優しさが
彼の愛情が




私に伝わる。


すぐに唇は離れていき、彼が私を強く抱きしめてくれる。

「リオ、今度は俺が質問する。この返事は…次に俺が帰って来た時に教えてくれ」

彼はそう言うと私の耳元に質問を投げかけた。
「……わかりました」
次帰って来る時は、きっとすべてが終わった時。

帰って来る保証はもちろん無い。
でも、私は待ち続ける。

私達はお互いに笑うと再び唇を重ねた。
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp