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a fragrant olive【ONE PIECE】

第10章  Purple anemone


「すまないね。勝手に連れ出して」

レイモンドは二人が家を出て花畑に向かったのを確認するとローと共に家に入る。
「ちょっと二人きりにしたくてね」
「…あのリオって人はコラさんの女じゃないのか?」

ローが感じていた事。
普段からドジをするけど自分の事をとても気に掛けてくれる優しい人。
そんな彼が彼女と会った時、自分が見たことないような優しい目で彼女を見ていた。


「うーん…両想いだしお互いそれはわかっているんだけど…正式には付き合ってはいないかな。」
「なんでだ?お互い好きなんだろ?」
「そこは彼らの事情だからねぇ…」

納得がいかないローの様子にレイモンドは少し笑う。

「彼と彼女が出会ったのは彼がお兄さんの海賊団に入る前なんだ。海賊に盲目の彼女を連れて行けば何かあった時に巻き込んでしまうと思ってこの島に置いていったんだ。彼女もとある機関に故郷を壊され、4年前まで薬物実験のモルモットとして生かされていたんだ。そんな時にロシナンテさん…君が言うコラさんに救われてここにいるんだ」
「そう…なのか…」

自分に優しく話してくれた彼女。
彼女がそんな過去を背負っていたことを知らなかった。
自分は過去を恨み、すべてを破壊したいと願っていたのに、彼女からはそんなことみじんも感じなかった。


それに自分がいたあの海賊団の事を考えると彼女が無事で過ごせる保証もない。
おそらく彼はそれを懸念したのだろう。


黙ってしまったローの頭をレイモンドは優しく撫でる。
「私達にできるのは、二人を見守ること…かな」
「あぁ。あと頭を撫でるな」
「おっと。失礼した」
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