a fragrant olive【ONE PIECE】
第10章 Purple anemone
4年ぶりに会った彼女はすっかり元気な様子で肌も少し焼けたのか前の病的な白さは無かった。
手に杖を持っているから、目が見えないのは変わらないんだろう。
「リオ」
俺が彼女の名前を呼ぶと彼女は少し泣きそうな声で
「ろ、ロシナンテさん…!」
あぁ、彼女だ。会いたかった彼女だ。
「まだ終わってないんだけど…とりあえずただいま」
彼女にそう言うと彼女は笑顔で
「おかえりなさい」
と言ってくれた。
港での再会後、俺たちはレイモンドの家に来ていた。
レイモンドはすぐにローの事を診てくれたが、治療法は現段階ではないとの事。
珀鉛病の患者がフレバンスの事件以降ロー以外にいない事。
患者がいなければ研究が進まない事。
今の医学ではまだ手立てが無い事を謝られた。
今俺たちはレイモンドの妻が淹れてくれた紅茶を飲んでいる。
「なぁ…聞いても良いか?」
ローが不意にそう尋ねる。
「どうしたロー」
「……俺の事、気持ち悪くないのか?白いのに…」
ローは恐る恐るそう質問した。