a fragrant olive【ONE PIECE】
第10章 Purple anemone
……な、なんだこの歓迎モードは。
俺がこの島にいたのは彼女を送り届けて一泊した2日弱のみ。
島民とはそこまで交流は無かったはず。
そんなことを考えていた時だった。
「ロシナンテさん!?」
聞き覚えのある男の声が聞こえた。
「レイモンドさん!久しぶりだな!」
「驚きましたよ…メイクしているから一瞬分からなかった…あ、今リオ呼んでくるんで待っててください!」
レイモンドは俺の返答は聞かず、踵を返して走っていく。
「…コラさん」
「なんだロー」
「リオってコラさんの女か?」
俺はローの言葉にその場にすっころんだ。
「ろろろろローくん???!!」
「何狼狽えてんだよ」
このクソガキ涼しい顔で!!
彼女はまだ俺のお、女じゃ…!
「え、ロシナンテさんはリオの旦那じゃないのか?」
「バカだねぇ。恋人だよあんた!」
おいおいおい!
なんでそうなってるんだ!!いや反対されるよりは嬉しいけど!!
島民の言葉に俺が固まっているとレイモンドの通してくれの言葉が聞こえる。
人よりでかい俺からレイモンドの姿と、4年間恋焦がれていた栗毛が見える。
島民が「リオが来た!」「どけろどけろ」とレイモンドの前を開け、レイモンドが彼女を連れて俺たちの前に来た。