a fragrant olive【ONE PIECE】
第9章 2人の旅路
「さて、あいつからリオさんの事は大体聞いています。まずこの島は政府非介入だから安心してください」
レイモンドも妻が用意した紅茶を一口飲み、俺たちを見る。
「あいつは薬が抜ければ体調は良くなると仮説を立ててましたが。航海中はどうでした?」
「何日か体調は崩しましたが、以前よりは良いです」
「では一先ず仮説は立証されてます。顔色も良いですし、普通に生活する分には問題ないと思われます。リオさんにはこの島で生活して頂くので当面は私どもの家に住んでください」
レイモンドと彼女はこれからの事を話していく。
身体の詳しい検査。
薬がもたらした副作用の今後の影響。
盲目の為、島の地形の把握や島民への説明。
一通り話した後、レイモンドは俺を見る。
「ロシナンテさん、貴方はすぐに出航予定ですか?」
「俺には任務がある。今日一泊したら出発する」
「わかりました。では今日はゆっくりしてください。夜に食事を作って待ちますのでお二人で島の散策でもどうぞ」
レイモンドに島の散策を促され、せっかくだからと二人でクロム島内を歩いていた。
以前立ち寄った島より田舎だが、自然が多く彼女の身体には良さそうだ。
「ロシナンテさん、草の匂いが強いです!野原が近いですか?」
彼女がそう言ったので周りを見渡すと少し離れたところに花がたくさん咲く野原があった。
「あぁ。花がたくさん咲いてる。行こう」
俺は彼女を抱き上げると野原へ向かう。
…が、その途中で石に躓いた。
なんでよりにもよってこの時に…!!
「どわぁぁああ!!!」
「きゃぁぁああ!!」
彼女だけは守ろうと彼女を抱きしめ、そのまま野原に向かって転がってしまう。
しばらく転がった時、俺たちは野原の中にいた。