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a fragrant olive【ONE PIECE】

第9章 2人の旅路


上陸準備を整え、俺は彼女を呼んだ。
船内から出てきた彼女は以前島で購入した花柄のワンピースに白いカーディガンを身に着けていた。
俺は彼女を抱き上げると船から降りる。

彼女を下ろす前に俺達に近づいてきた一人の男から声を掛けられる。
男は先生ぐらいの年代だが、先生とはまた違う穏やかさが垣間見える。

「ロシナンテさんですね。あいつから話は聞いてます」
「じゃああんたが先生の友人か?」
「ええ。ロシナンテさん、そしてリオさんも初めまして。この島で医者をやっているレイモンドと言います」
「は、はじめまして…フィオーレ・リオです」
彼女は俺の腕の中でレイモンドに挨拶する。

今更だが彼女のファミリーネーム、初めて聞いた気がする。

「ここで立ち話もなんですから私の家に来てください」
レイモンドはそう言うと踵を返して歩いていく。
俺はリオを抱き上げたまま彼の後をついていった。





レイモンドの家に着き、中に入るとソファーに座るように促される。
まず彼女を座らせ、その隣に俺も腰掛ける。
レイモンドが席に着くと部屋の奥から女が現れ、手にはおぼん。
その上に湯気たつマグカップがあった。
「私の妻です」
「こんにちは。こちらどうぞ」
レイモンドの妻はソファー前にあるテーブル、俺と彼女の前にマグカップを置くとまた部屋の奥へと消えた。
「…この香り、紅茶ですか?」
「あいつから君は紅茶が好きと聞いてね、妻にお願いしたんだよ」
「ありがとうございます」
いただきますと言うと彼女は紅茶を冷ましつつ飲み始める。
俺も紅茶に口を付ける。



…うん、ちょうどいい温度だ。
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