• テキストサイズ

a fragrant olive【ONE PIECE】

第9章 2人の旅路


「いらっしゃいませ」
「そこのショーウィンドウに飾られているネックレスが欲しいんだが…」
「かしこまりました。少々お待ちください」
店の男はそう言うとショーウィンドウに飾られているネックレスを取り、俺に見せる。


「こちら、クローバーのネックレスですね。こちらは女性に人気のデザインでして中央にイエローダイヤモンドを埋め込んだものになります。」
「それを包んでくれ。プレゼント用にはしなくていい」
「かしこまりました」




なんとなく、あの黄色が彼女の瞳と俺たちが出会った金木犀を連想させた。
喜んでくれるといいのだが…



「お待ちしました。こちら商品とただいまご購入していただいた方にはペアのブレスレットをプレゼントしております。良ければネックレスを贈る方に」
「あ、あぁ。ありがとう」


なんかペアブレスレットとか聞こえたが…そこは突っ込まず、ネックレス等が入った紙袋を受けとり、礼を言うと店を出た。




“時間的に終わっただろうか”


先ほどの待ち時間と調達の時間を合わせて大体3時間近くは経っている。
一度戻ろうと彼女が待つ店へと歩いていく。
数分で店の前に着き、ドアを開けて店内へ入る。

「いら…あ、旦那様戻られましたよ」
「おかえりなさい、ロシナンテさん」
店員の旦那様認定はスルーする事にして、俺は彼女の元へ歩み寄る。
「無事に買えた…みたいだな」
彼女のそばにある大量の紙袋を見たら買い物ができたことはすぐにわかった。
現に白いワンピースに黒いカーディガンを羽織っていた彼女はパーカーにTシャツ、サロペットに着替えていた。


「着ている服もよく似合う。金は足りたか?」
「むしろ余りました。店員さんも良い人で…」
「そうか。長い時間ありがとうございました」
俺は店員に頭を下げ礼を言うと紙袋を片手で全て持ち、その音に気付いた彼女も立ち上がる。


「じゃあ行くか」
「はい。お願いします」
俺は彼女の手を握り、店を出た。







「可愛いご夫婦でしたね」
「ね。旦那さん大きいけど優しい、旦那様って言ったら顔赤くして可愛かった」
「奥さんもすごい気を遣うし、にこにこ笑って可愛かった」
「「新婚なのかぁ…」」
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp