a fragrant olive【ONE PIECE】
第9章 2人の旅路
港に船をつけ、上陸準備を整えながら港から見える島を見る。
小さい島かと思ったが、そこそこ栄えている島のようで必要な物がほとんどそろえることができそうだ。
「ロシナンテさん、もう出てもいいですか?」
「あぁ、もうちょっとで上陸するから待っててくれ」
彼女は俺の言葉に船内から出てくると甲板の椅子に座って俺の準備を待つ。
彼女が椅子の上でそわそわしているのを見て、いつまでも待たせるのもかわいそうだと猛スピードで準備を進めた。
ドジっ子発動しないことを願う。
あれからロープに足を取られたり、転んだりしたがなんとか準備を整えた俺はそわそわして待っている彼女の元に行く。
「悪ィ待たせた!上陸するぞ」
「はい!」
満面の笑顔の彼女を抱き上げ、鞄と杖を手に持つと船から降りた。
「うわぁ…いろんな音と匂いがします!」
「栄えている島だから調達にも困らねぇ。とりあえずリオの服だ」
俺は彼女を下ろし、目代わりの杖を手に持たせ、片方の手は俺と手を繋ぐ形にした。
共に歩き、彼女の杖からカツン、カツンと障害物を探る音が聞こえる。
絶対に転ばないぞ…。彼女が道連れになってしまう。
そう自分に言い聞かせていると服屋と思わしき店の中を見つける。
「おっ、店だリオ!ここ入ろうな」
「はい」
俺は彼女に段差に気を付けるよう伝え、店の中へ入る。
中に入ると女性の「いらっしゃいませ」の声が聞こえ、店内を見渡すと女性物の衣類を取り揃えている印象。