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a fragrant olive【ONE PIECE】

第8章 決意と行動


翌日、彼女を船に乗せた俺は出航する旨をセンゴクさんに報告しに来ていた。

「では、行ってまいります」
「あぁ。気を付けるように。


それと研究所から脱走者がいると話があったのだが…」


ドクン。


俺の心臓がうるさくなった。十中八九彼女の事だ。
俺が連れ出したことがバレればすべて水の泡だ。

平静を装え。ドンキホーテ・ロシナンテ。

「脱走者ですか?」
「…いや、お前には関係ない人物だ。呼び止めてすまない」
「いえ、では失礼します」


そう言ってセンゴクさんの部屋を出た俺は心臓の音がうるさく鼓動していたが、とりあえず危機は脱した。
彼女の事を聞いた時、自分は知らないと言った手前あれ以上は追及できないのだろう。

自分の恩人ともいえる人を裏切る行為になってしまい、申し訳ないが彼女の自由に変えられない。


事が大きくなる前に船を出す必要がある。
俺は急いで船へと向かった。





彼に連れ出された私は船に着いてすぐに何か箱の中に入れられた。
足を少し曲げれば横になれる箱にしては広め空間。

彼の気遣いなのか箱の中はふかふかの何かが敷かれていて、寒くないようにと掛けるものと連れ出される時に掛けてくれた彼のコートが一緒に入っていた。

先ほど上の方に手を伸ばした時、自分の手では開かなかったから鍵を掛けているか何か上に乗せているのだろう。

こういう時、盲目なのが役に立つ。暗い空間には慣れている。
彼のコートがあるので恐怖心も感じない。
彼がつけているだろう香水とたばこ、そしてわずかに金木犀の匂いもする。

鳥の囀りが聞こえていたのでおそらく朝にはなっている




ふと船に振動が走るのを感じた。出航したのだろうか。

“そういえばここに来る時、音が全く聞こえなかった…あの人は能力者なのかな”

だとしたら、海に行ったあの日…浅瀬といえ海に浸かった彼は辛かったはず。
申し訳ないことをしてしまったな。
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