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a fragrant olive【ONE PIECE】

第8章 決意と行動


「でも…私がここを出たら…島のみんなが殺された意味が無くなってしまいます」
震える声でそう言った彼女。

死んだ島のみんなの為。
おそらく、ずっとそう言い聞かされてきたのだろう。

俺は彼女の手を握る。
「島の人は唯一生き残ったお前が死ぬのを望んでいるのか?少なくてもリオの親御さんは違うと思うぜ」
「っ…」
俺の言葉に彼女は息を詰まらせた。

自分がすべて背負う必要はない。
自分が犠牲になる必要なんて、ない。


「おか…さん、とぅさん…!」
そう呟いた彼女の瞳から大粒の涙がこぼれる。
涙を流す彼女の頭を撫でると彼女の顔を見る。
「リオ、今すぐ選べ。ここに残って死ぬか。俺と来て残り短い人生でも外の世界で生きて死ぬか」

あえてこの選択にした俺は非道かもしれない。
でも彼女は自分の身体を一番理解している。おそらく寿命も…。

しばらく考えた彼女は涙を手で拭くと涙で腫らした目で俺を見る。
「お願いします。私をここから出してください」

彼女を力強い言葉を聞き、俺は彼女に必要な物だけ持つように伝える。
彼女はベッドから置き、傍にあった靴を履いて立ち上がり、ベッドの近くに置いてあった杖を持ち、障害物を探しながら歩いていく。
ベッドから少し離れたテーブルに置いてあるショルダーバッグを手に取ると持っていた杖を折り畳み、鞄の中に入れた。

「ロシナンテさん、準備出来ました」
「…わかった。行くぞ」
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