a fragrant olive【ONE PIECE】
第8章 決意と行動
任務に向かう前日の夜、俺は研究所の裏側にいた。
「凪(カーム)」
自分自身に能力をかけて、研究所の窓に近づく。
“裏の窓を開けておきます。その日は私が当直なので私は仮眠中で気づかなかったと説明します”
先生と事前に話していた事を思い出しながら窓に手をかけ、開ける。
ナギナギの実のおかげで無音。誰にも気づかれず侵入できた。
窓から入る際に顔と床がお友達になったのは内緒だ。
そのまま彼女の部屋へと向かう。
目的の部屋の前に行くと、ドアには鍵がかかっていなかった。
普段は鍵をかけていると聞くが、こちらも先生と相談済。
音もなく彼女の部屋に入り彼女のそばに向かう。
「っ…誰…?」
ベッドに横になっていた彼女は気配を察知したのか不安げな声でそう呟く。
さすが、気配を察知するのに長けているだけある。
俺は凪を解除し、口を開く。
「俺だ、リオ」
「ロシナンテさん…?どうしました?」
「ここからお前を連れ出す。外に出るんだ」
俺の言葉に彼女は目を丸くする。
「で、でも私は…」
「ここから出れば身体が少し良くなるかもしれない。今のお前の体は…」
俺がそう言っても彼女は頑なに首を横に振る。
何を彼女を縛り付けている。