a fragrant olive【ONE PIECE】
第7章 壊された平穏、奪われた幸福
「おや、あの時のお嬢ちゃんじゃないか…他は?」
「確認中ですが、おそらくこの子供だけです」
「ふん、まぁ一人だけでも良しとするか』
連れて行けと男が言うと、海兵は私を抱えたまま歩き出す。
歩く道にたくさんの死体。
近所に住むおじさん
お店をやっていたおばさん
お父さんの飲み仲間
お母さんとよくお話してた人
仲良しの友達
みんな
みんな死んじゃった。
10歳の私でも私以外に生き残りがいないことは分かった。
世の中に絶望した私は海軍本部へ連れていかれた。
海軍本部に連れて行かれた私に待っていたのは島でとれた花から作った新薬の被験体。
私への実験結果が海兵の為になり、全世界の人の為になる。
そして死んだ島民への弔いにもなる。
そう言い聞かされてきた。
その実験の過程の副作用で目が見えなくなった。
たくさん飲んだし、注射もされたからどの薬が原因かは分からない。
ある日突然目に尋常と言えない目の痛みと熱に襲われた。
熱い!痛い!助けて!
誰もいない部屋で痛みと孤独に戦い1カ月経った頃、痛みと熱は引いたが目から光を失った。
もう、どうでもよくなっていた。