a fragrant olive【ONE PIECE】
第7章 壊された平穏、奪われた幸福
目が見えなくなってしばらくした後から先生が来てくれた。
『こんにちは。はじめまして』
優しい声色で話す先生。
でも私は海軍の人は信用しないと決めていた。
この人も所詮は政府の人。
でも先生は私の身体を懸命に調べて治療法をたくさん調べてくれた。
試す時も必ず私の了承を取り嫌だと言ったものは二度と話にも出さない。
先生は私が一人で出られるようにと杖の使っての歩き方を教えてくれた。
先生が来るまでは窓を開けることも許してくれなかったけど、先生が掛け合ってくれたのだろう。先生が許可を出せば外出が出来た。
体調が良い日は外に出歩けたから大好きな花の香りを思い切り吸い込んだ。
でも海岸に行こうとして転んで両膝に怪我をした時はものすごく怒られた。
看護師曰く、かなり血まみれで(実際ものすごく痛かった)先生も慌てたみたい。
“あんな先生見たことないですよ”
両親がいなくなった私にとって、先生は二人目のお父さんという感じだった。
それでも日に日に体調が悪くなる私は海軍に利用されてここで死ぬんだと感じていた。
「…寝よう」
私はベッドに横になると眠りに着いた。