a fragrant olive【ONE PIECE】
第7章 壊された平穏、奪われた幸福
“おい、生き残りがいたら殺すな”
その言葉が聞こえ、まだ生きている人はいるのかと思った瞬間。
クローゼットのドアが開けられた。
「お母さ…っ!」
母が開けたと思い、母を呼ぼうとしたが、そこに立っていたのは母ではなく海兵だった。
私は恐怖でガタガタと震えた。
見つかった。
殺される。
『生き残りだ!一人いたぞ!』
海兵は激しく抵抗する私を抱え、外に向かって歩き出す。
「離して!!やだぁ!」
「大人しくしろ!」
私が抵抗しているその時、地面に転がっていた死体を見た。
栗色の髪の男性と亜麻色の髪の女性。
血に染まって絶命している両親の姿。
『お父さん…!!お母さぁん…!!』
私が叫んでも両親は答えない。
両親の死を見て激しく泣き叫ぶ私に海兵は猿轡を嵌め、手足も拘束する。
拘束された私が家から出された時。
「ほう、子供がいたか。被験体には丁度いい」
そう言ってニタリと笑う男がいた。
あの時会った男だった。