a fragrant olive【ONE PIECE】
第7章 壊された平穏、奪われた幸福
しかし、父の予想は当たってしまった。
あの男が島に来た3か月後、リリック島に政府の軍艦が何隻も来た。
島のみんなもなんだなんだと外に出る。
私も外に出ようとしたが、両親に止められ、部屋の奥へ連れて行かれた。
その瞬間、外でたくさんの銃声が鳴り、人々の悲鳴が響く。
「くそっ!お前たちは隠れるんだ!」
父の声が響く。
私は恐怖で母にしがみついていた。
怖くて
怖くて
私も死んじゃうと思った。
そんな私を見た母は部屋の一番奥にあるクローゼットに入れた。
「リオ!ここに隠れて!母さんが良いって言うまで出ないで」
「お、お母さん…」
母は自分が着ていたカーディガンを私にかけると頭を撫でる。
「リオ…愛しているわ」
そう笑って言った母は静かにクローゼットの扉を閉めた。
私は母のカーディガンを頭からかぶり、耳を塞いだ。
私が母を見たのはそれが最期だった。
私は外で響く音が怖くてひたすら耳を塞いで終わるのを待ち続けた。
それからどのくらい時間が経ったかわからない。気づいたら音はやんでいた。
外は気になるけど母の言いつけを守り、そこから出なかった。
クローゼットから少し光が漏れていたので夜ではないことはわかっていた。