a fragrant olive【ONE PIECE】
第6章 彼女の真実
俺の背中に嫌な汗が伝う。
まさか。できれば信じたくない。
「リオはリリック島の唯一の生き残りです。政府は研究所の建設を断念し、強制的に花の採取する為、採取に反対する全島民の殲滅に着手。
その中で当時10歳の彼女を生け捕りし、リリック島の花から作って新薬を島民である彼女に試しているんです」
やはり事実であった。
彼女は政府にすべてを壊され、捕まりモルモットにされている。
ギリッと拳に力が入る。掌に痛みがあるからおそらく血も出ているだろう。
でも彼女を思えばそんなのかすり傷にもならない。
「先生は最初から知っていたのか?」
「…いえ、彼女に出会った時にはすでに盲目でした。どんなに処置しても治らない身体。他の者に言っても彼女はいい。診ていればいいと言われ、私の中で疑問が生まれました。そのファイルは私が独自に調べた内容になります。私には彼女を外に連れて行く力はありませんからこれぐらいしか…」
「そうか…」
きっと先生は俺と同じ思いを、いやそれよりも長い期間を医者として彼女を診てきているからこそ歯痒い思いを多くしているに違いない。
「私の仮説が当たっていれば、彼女の体調は新薬の副作用が積み重なってるもの、その薬さえ身体から抜ければ完全ではなくとも今よりは…」
「…わかった。先生、俺に提案がある」
俺はある事を決意し、先生に話し始めた。