a fragrant olive【ONE PIECE】
第6章 彼女の真実
先生が入ったのは海の日に訪れた部屋。俺が書類を見た部屋だ。
俺もそこに入り、ドアを閉める。
「鍵をかけてください。他の人が入ると厄介なので」
先生の言葉に後ろ手でドアのカギをかける。
何があってもいいように先生への警戒を強めていく。
「警戒しないでください。私は味方です。中佐、これをご覧ください」
先生はそう言うと厚いファイルを俺に差し出す。
それを受け取り、ファイルを開く。
そこには被験体:001の投薬した新薬の内容、投薬後の状況や副作用の結果等が細かく記されていた。
「中佐が聞いた通り、リオは新薬用の被験者です」
「なんでリオが…!」
「…中佐は6年前に南の海で島民が全滅した島の話をご存知でしょうか」
「6年前…あぁ、資料で呼んだが…」
先日資料を調べている時に見つけた書類。
あれには全滅と書かれていたが、詳細不明とも書かれていた。
やはり、彼女と何か関係があるのか
「その島の名前はリリック島と言います。
リリック島は様々な花咲き誇り、1年を通して様々な花が楽しめる島だった。
島民も穏やかで争いを好まない。
リリック島には新薬に使える様々な花が自生しておりました。政府の研究者達は島に研究所を作り、その花を調査、採取させてほしいと島民に頼んだが、島民は自然に咲いている花たちを研究の為に使われたくないと断りました。
花の命も人の命も同じ。
芽が出て、つぼみをつけて、花が咲き、枯れて土に還る
リリック島の人々は古からの教えを守り、断っただけでした」