a fragrant olive【ONE PIECE】
第4章 彼との時間
「海の中で転んだ?!」
彼女を連れて研究所に戻った俺は彼女が先生という人物の元を訪ねた。
全身ずぶ濡れの俺たちを見た先生は慌てた様子で、まずは彼女を研究所にいた女に風呂に連れて行くように指示。
彼女がいなくなった後に俺にはシャワーを浴びるよう伝え、シャワーを浴び研究所内にあった術衣を一時的に借りて今に至る。
着ていた服は洗濯中だ。
「すまねぇ。俺がいながら…」
「あ、いえ…こちらこそ失礼いたしました。でも気を付けてください。あの子はすぐに体調を崩すんですから…」
「肝に銘じます」
「ですが、あなたは確か悪魔の実を…」
「まぁ…あれぐらいなら」
俺は言葉を濁したが、ナギナギの実を食べている能力者の俺にとって海は鬼門。
あの時も足首くらいとは言え、満足に動けなかった。
でも楽しそうな彼女を見ていたらそんなのぶっ飛んで連れて来てよかったと思った。
だけど何かを探すか、求めるように急に歩いて行った時は驚いた。
本当は彼女がバランスを崩したときに受け止めれれば良かったが…
だが、あの時彼女はどうして俺が名前を呼んでも先を歩いていったのか…。
「先生、リオのお風呂終わりましたが…やはり発熱が見られます」
「まぁこの時期の海だからな。仕方ない」
部屋に入ったきた看護師と思われる女の言葉を聞いて、先生は机にあるカルテを手に持つと立ち上がる。
「中佐は服が乾いたらお戻りください。リオの面会は明日で」
「す、すまない…」
「いえ、あの子が楽しそうだったならいいんです」
先生はそう言うと部屋から出て行った。