【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第6章 KISS
吐息が首筋にかかって、体が熱くなってくる。
私の血を吸ってほしいなんて、おかしなことさえ口走ってしまいそう。
いや、そんなことを考えてる時点で私はもう…おかしいのかもしれない。
アーカード様はそんな私を見てか、満足そうに笑っている。
「闘争以外でこれほど胸熱く心踊るのはお前が初めてだ、リーナ」
今、リーナって…。
「私の名前を呼んでくれたの…初めてですね」
「そうだったか?胸の内ではいつも呼んでいた…お前の名を」
嬉しくて思わず顔が綻んだ。
それってつまり、私のことを考えてくれてた時があったってことだから…。
「とても…嬉しいです、アーカード様」
「アーカードでいい」
そう言った彼はいつもとは違って優しげに微笑んでいた。
こんなふうにも笑うんだ…。
「アーカード…」
私はアーカードの頬を撫でながらつられて笑った。
「本当に天使のようだな」
頬に触れていた私の手がアーカードの手に包み込まれる。
「リーナ、私は化け物だ。人間ではない。…この意味がわかるか?」
「人も化け物と同じようなもの。あなたがたとえ吸血鬼でも私はあなたのことを信じます、アーカード」
「本当に物好きで面白い女だ…」
彼はそう言って、再び私にキスを落とした。
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