• テキストサイズ

【HELLSING】Eternitate...【アーカード】

第3章 DISASTER AGAIN





たとえ私を殺そうとしている人たちでも、人を殺すことなんてできない。

彼らは人間で家族や子供、兄弟、友達、恋人がきっといて、彼らもまた誰かの家族や子供、兄弟、友達、恋人だろう。


私にはそういうものがわからない。

幼い頃に母が死んでから、ずっとひとりぼっちで生きてきた。

だからよくわからない。

何にも代え難い大切なものという曖昧な宝物がーー…


でも、これだけははっきりとわかる。

そんな誰かの大事なものを、こんな私が傷つけて奪っていいはずがない。

その人のこれからの幸せと、その人の周りにいる人の幸せを…失くしていいはずがないーー…


「撃て、ない…っ」


銃が私の手からこぼれ落ちた。

私は両手で顔を覆う。


「私には…何もない…っ…」


グールが私の目の前でがぅう!と唸り声を上げた。


…あぁ。

私、死ぬーー…



_
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp