【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第3章 DISASTER AGAIN
すると、ガチャンと部屋の中で何かが割れる音がした。
音の方を見れば、床の上でグラスが水を零して割れていた。
でも、あの頭をぶつけたグールが落としたんじゃない。
ひとりでに倒れるはずもない…。
じゃあ…何でーー…
「ッッ!」
私は思わず息を飲んだ。
同時に愕然とし、絶望した。
部屋の物陰に潜んでいたグールたちが次々と立ち上がる。
うぁあ…と血塗れの体を揺らしながら、ゆっくりと…ゆっくりと私に近づいてくる。
「いや…っ、来ないで…」
背中が壁に当たる。
「やめて…!助けて…助けて…」
逃げ場なんてない。
私は咄嗟に拳銃を握った。
セラスさんから護身用で預かった拳銃…。
震える手で銃口突きつける。
普通なら立ち止まるものだけど、グールは私という食べ物に向かってじりじりとにじり寄る。
「はぁ…っ、はぁ…はぁ…」
冷や汗が額を伝う。
ゴクリと唾を飲み込み、腹をくくる。
私は引き金に指をかけ、グールの脚に狙いを定める。
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