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【HELLSING】Eternitate...【アーカード】

第12章 LOVE ME?





走って走って走って、私はお屋敷から外へ出た。

雪が降ってる。

冷たい外の空気に触れて広い庭園に来れば、深呼吸もできて落ち着くかと思ったけど、そんなことなかった。

泣いて呼吸がしっかりできずに走ったものだから、いつもより苦しい。

息をちゃんと整えたいけど、気持ちがおさまらずに泣くばかり。


手がかじかむ。

荒い呼吸のまま手に白い息をかける。

ちょっとあったかいけど、やっぱり寒い。

勢いで飛び出してきちゃったから、上着も羽織ってない。

涙も凍ってしまいそう。


でも、滲んだ月に向かって私はただフラフラしてる。

とめどなく溢れてくる涙を手で拭いながら、前をちゃんと見ずに足だけ前に進んでる。


「あっ!」


案の定、小石につまづく。

転ぶーー…


と思った時には誰かの腕が私を支えていた。


「リーナ」

「あ…」


アーカード…。


私はまたあの時と同じようにすぐにバッと離れようとした。

でも、アーカードが私の腕を強く掴んで引き止める。


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