【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第11章 DISTRUST
「吸血鬼の女が人間たぁねぇ」
その沈黙を破ったのは、一番この問題には蚊帳の外のベルナドットさん。
「いいの〜?フツーの恋愛じゃなくて。好きとか言われたことあるぅ?お嬢ちゃんなら引く手数多だろ?俺はそういうセリフたーくさん言ってあげられるよ、飽きるほど。んなはははは!!」
確かに…言われた覚えはない、かな…。
インテグラ様やセラスさんのような深い繋がりが私にはないし、彼にとってそんなセリフを言うほどの存在だったかと問われれば、うんと頷ける自信はない。
ーーー…
「…お前のが良いんだ、インテグラ」
ーーー…
思い出したら、涙が止まらなくなった。
何で私じゃないの…?
だったら私に…期待なんかさせないで…。
「え?あ、ご、ごめんごめん。悪かったって…。地雷だった?なんか、気に障ったらほんとに…」
突然泣き出した私に驚き、ベルナドットさんは私からパッと手を離し、謝り続ける。
「いえ…。いいんです。私じゃダメ…みたいなので…っ」
だって、彼が本気なのはインテグラ様なんだからーー…
胸が軋むほど痛み、流れ落ちる涙が止められない。
「ごめんなさい…っ」
私はインテグラ様の横を通り過ぎ、部屋を飛び出した。
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