【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第2章 SALVATION
ゆっくりと目を開ける。
私には大き過ぎるふかふかのベッドの上。
私…なんでベッドで寝てるんだっけ…?
いつのまにか服も見たことない…明らかに私のじゃない新しいものを着てるし…。
よくわからないまま体を起こし、辺りを見回した。
シックな調度品が並べられたホテルのスイートの一室のような大きな部屋。
電気はついてない。
月明かりだけが照らす暗い部屋…。
同時に、うっすらとあの夜の記憶が蘇る。
静かで穏やかな村が突如として阿鼻叫喚の地獄になった。
血のにおい。
人の悲鳴。
助けてと叫ぶ見知った人の顔。
また別の見知った人が次々と人を食らう様。
どうしたって…忘れることのできない恐怖とおぞましい光景。
体の震えが止まらない…。
「おや、お目覚めですかな?」
私は体をビクつかせ、声のした方へ振り向く。
すると、片眼鏡の老紳士がテーブルからグラスに注いだ水を持って来て私に渡す。
「さ、お水を」
「あ、ありがとうございます…」
悪い人ではなさそうと踏んだ私はそれを受け取り、ごくんと飲み干す。
_