【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第10章 DISTANCE
アーカードは眉をひそめながら訝しげに私を見つめる。
「様子がいつもと違う。私への態度が特にな」
「ち、違くないし!私急ぐから…」
彼の横を通り過ぎようと足を横にスライドさせると、アーカードがその行き先をまた阻む。
「何か言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだ?私に怖気づいて言えないお前ではないだろう?」
「だから言ってるじゃない。何もないって…」
「そうは見えんから聞いている。私をあからさまに避けているじゃないか」
「そ、そんなこと…」
私は思わずうつむく。
そんなことなくない。
言いたいこと、聞きたいこと、たくさんある。
たくさんあり過ぎて整理できないから避けてしまう。
あなたにとって、私の存在ってーー…
「急にどうしたんだ?インテグラの部屋に向かっていた時からーー…」
「私のことどう思ってる?」
アーカードの言葉を遮る。
声が震えて、涙を必死に堪えてるのがわかってしまわないように口早に言った。
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