【HELLSING】Eternitate...【アーカード】
第9章 INFERIORITY COMPLEX
セラスさんはアーカードに噛まれて、彼の眷属になった。
だから…口で話さずともお互いの考えていることがわかる。
私には…できない。
どんなに私が彼を好きでも、彼の本心まではわからない。
インテグラ様だって、幼少の頃からアーカードともう何年も長い付き合いをしてると聞く。
そんな2人に比べたら、私とアーカードの関係性なんて薄弱ね。
アーカードに任務で助けてもらっただけの…村人Aみたいな私が物語の中核を担うキーパーソン、ううん、主人公みたいな彼の隣にいるなんて、そもそも間違っていたのかもしれない。
惚れた腫れたの恋愛ごっこ。
束の間の休息みたいなもの。
「ありがとう、セラスさん。励ましてくれて…」
「いえいえ!本当のことを話しただけです。マスター、リーナさんのことだけは本当に大切にしてるので…それだけは信じてください」
セラスさんの真っ直ぐな言葉にも、私は頷くことはできなかった。
「…本当にありがとう。じゃあ…また」
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