第24章 力 3
シャワー室へ向かう廊下には道しるべのように血が滴っていた。それを見て私たちの足は、だんだんと急ぎ足になっていく。
シャワーの入り口は開け放たれており、そこに大きな影が見えた。私たちはシャワー室まで走っていく。
「これはてめえの錠前だぜ。」
承太郎は私の持っていた錠前を取ると、猿を思いきり叩きつけた。
私はその隙にアンにタオルを手渡し、自分の方へ引き寄せる。
「ジョジョ!お姉さん!」
「アンちゃん、私から離れちゃダメよ。」
そう言って、私もオランウータンと対峙する。
オランウータンは私たちに目もくれず、承太郎に向かっていく。承太郎はスタープラチナで応戦するが、相手は一向にスタンドを出す気配がない。
すると突然、天井の扇風機がひとりでに動き出した。
「承太郎、うしろ!!」
私はとっさにソードマゼンダで扇風機を突風で弾き飛ばそうとした。しかし、扇風機がひとりでに回って私の風を受け流し、そのまはま承太郎の肩に突き刺さった。
「なっ!?」
承太郎の肩から血が吹き出す。それを見て嬉しそうに顔を歪めるオランウータン。
「こ、こいつが外したのか扇風機を!」
「でも、スタンドが見えない!なぜスタンドが見えないの?」
承太郎は扇風機を抜こうとプロペラ部分を握るが、またも扇風機がひとりでに動き出す。扇風機は承太郎の顔を弾いて、体を大きく吹き飛ばした。
オランウータンは飛び跳ねて喜ぶ。今度はガラスがひとりでに割れ、承太郎に向かって追撃する。
「ソードマゼンダ!」
私は飛んでいるガラスの破片を、風で向きを変えてオランウータンに飛ばす。
ガラスはオランウータン目掛けて飛んで行ったが、オランウータンは船の壁にめり込んでいき当たることはなかった。
「おい、今の見たろう。俺のそばへ来な。なにかとてつもなくやばい。」
訳がわからず呆然としていたが、承太郎の言葉で気がつきアンを連れて承太郎のそばへ行く。
私たちは背中合わせになり、アンを庇いながら辺りに注意を配る。
オランウータンのスタンドは一体どこに…?
私たちの見えないところで、扇風機やガラスを動かしたの?いや、それにしては扇風機そのものが動くなんて不自然だ。
「スタンドが見えないんじゃなくて…」
「もう見えているとしたら?」