第3章 プロローグ 2
正直私は、ジョナサンの体とかディオの復活はどうだっていい。でも、おじいちゃんは家族が死んでひとりぼっちになった私を拾ってくれて愛情かけて育ててくれた大切な人だ。その大恩人のおじいちゃんの身を守ることだけは真剣に考えている。だから、もしディオを倒す旅に行くことになったら最初から同行するつもりでいたのだ。おじいちゃんだって年齢のわりには元気だけど、危険な冒険なのだから何が起こるかわからない。おじいちゃんが一族を守りたいように、私だって家族を守りたいんだ。
「アンナ、どうした?」
一人であれこれ考えていると、アヴドゥルが心配そうに私の方を見ていた。
「今回の旅はとても危険な旅になるだろう。君の強さはよく知っているが、それでも不安になるのも無理はない。」
アヴドゥルは私が旅の心配をしていると思ったらしい。私はアヴドゥルに明るく答えた。
「私は大丈夫よ。そんなことより、お寿司ってたしか日本の食べ物でしょ?。アヴドゥル!向こうに行ったら是非、本場のお寿司食べなきゃね。好きでしょ?」
「はっはっは。珍しく神妙な顔をしていると思ったら、食べ物の事を考えていたのか。お寿司は是非食べてみたいが、今回は観光で行くわけではないからね。そんな時間はないと思うよ。」
「まあまあ、固いこと言わずにさ!楽しみがある方が行く甲斐があるってもんでしょ?」
「君は相変わらず楽観的だなぁ。」
アヴドゥルは、私が大丈夫だと思ったのだろう。フライトのチェックインをしているおじいちゃんの方へ歩いていった。
日本、か…。
日本にいる承太郎は、どうやら暴力事件で現在は留置場にいるらしい。あいつのことだから、相手の方が悪さしてたんだと思うけど警察沙汰になるまで殴るかね。せめてばれないようにやりなさいよ。
と、現実逃避をしつているうちにフライトの時間が来たらしい。私たち三人は飛行機に乗った。