第18章 銀の戦車 3
「誰もそれらの証言の内容を信じなかったが、俺には理解できた。俺がそれまで誰にも隠していた能力と同じものを、その男は持っていると思ったからだ。」
おじいちゃんは、それはスタンド能力だと断言した。
ポルナレフは続ける。
「俺は誓った!我が妹の魂の尊厳と安らぎはそいつの死でもってつぐなわなければ取り戻せん!俺のスタンドがしかるべき報いを与えてやる!」
そして1年前、彼はディオに出会った。
肉の芽を埋められ、私を拐い、みんなを殺すように命じられて香港に来たらしい。
話から推測すると、ディオはその両手とも右腕の男も仲間にしているだろうと花京院が言った。
「俺はあんた達と共にエジプトに行くことを決めたぜ。ディオを目指していけばきっと妹のかたきに出会える!」
ポルナレフの言葉に私たちは顔を見合わせた。最初に口を開いたのは花京院だった。
「どうします?」
「私に異存はありません。」
「同じく!」
「どうせ断っても付いてくるじゃろうしな。」
話がまとまりかけたとき、観光客の女性が承太郎に声をかけてきた。
カメラを撮ってほしいとの事だったが、彼女たちが本当は承太郎を狙っているのが丸分かりだ。
「やかましい!外の奴に言え!」
と承太郎が怒鳴った瞬間、まあまあ、とポルナレフが割って入った。
彼はそのままニコやかにエスコートし、女の子達の写真を撮る。
「あーあ。鼻の下伸びちゃってるよ、あの人。」
「ずいぶん気分の転換が早いな。」
「というより、頭と下半身がハッキリ分離しているというか…。」
「やれやれだぜ。」
何はともあれ、私たちは新しい仲間を迎え、6人で旅をすることになった。