第17章 銀の戦車 2
「ジョジョ!」
「うむ。」
承太郎はスタープラチナで肉の芽を引き抜いた。肉の芽を抜くところを初めて見たけど、なんと言うか…。
「気持ち悪…。」
おじいちゃんも私の隣で、うぇえ~早く抜いてくれぇ~と叫んでいた。
正直、おじいちゃんのもじもじした動きの方が気持ち悪いかもしれない。
そう思っていると花京院が笑った。
「ふふふ、アンナ。君、ジョースターさんと全く同じ動きをしてますよ。」
「嘘!?私こんな変な動きしてないよ!」
「おいアンナ!変とはなんじゃ!」
私たちが騒いでいる間に承太郎は肉の芽を抜き終わったようで、こっちに戻ってきた。
それを見ておじいちゃんはポルナレフの方へ行くと、
「と!これで肉の芽がなくなって、にくめない奴になったわけじゃな。ジャンジャン!ヒヒ!」
と言って笑った。
「花京院。おめー、こーゆーダジャレ言う奴ってよ、ムショーに腹が立ってこねーか?」
花京院は承太郎に笑って返した。
私は同じようにダジャレを言うタイプなので、承太郎には何も返さなかった。代わりにおじいちゃんに声をかける。
「45点。まだまだ修行が足りないんじゃなーい?」
「なんじゃと!?お前さんの“海路でカイロ”よりよっぽど面白いわ!」
「はいはい。さ、彼の手当てするからそこをどいて。アヴドゥルも一緒に手当てするからこっちに来て。」
私はソードマゼンダを出現させる。
「俺は君を拐おうとしたのに…。」
怪我を治している最中、ポルナレフが決まりの悪そうな顔で、私に言ってきた。
「勝負はもうついたし、私は拐われていない。だからそんなこと気にしちゃいないわ。」
「そうか…。」
ポルナレフはそれきり黙ってしまった。
「はい、治療おわり。」
今度はアヴドゥルの傷を治す。
「君には毎回お世話になっているな。」
「いいのよ。むしろ、怪我だけですんでよかったわ。あ、ついでに鼻を高くしてもっと男前にしようか?」
私がニヤニヤしながら尋ねると、アヴドゥルは苦笑いで答えた。
「あいにく今の顔を気に入っているんだ、そのままで頼むよ。」
「ふふ、冗談よ。はい、治ったわ!」
こうして私たちはタイガーバームガーデンを後にした。
そして、ポルナレフは呆然とその様子を見ていた。