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【ジョジョ】タロット~剣の暗示を持つもの~

第15章 そして香港へ



「でも、こんな怪我だけですんでよかったわ。花京院、あんた意外と戦闘慣れしてるのね。」

私の質問に花京院は苦笑いする。

「いや、私はディオと出会うまでは普通の学生でしたので、戦闘の経験なんてないですよ。私はただハイエロファントのことをよく知っている、それだけです。でもアンナさん、それはあなたもでは?」

「まあね。」

私もソードマゼンダとずっと一緒にいたことが戦いに生かされている節はある。

「あ、戦いで思い出した。私あなたにお礼を言おうと思っていたのよ。」

「私にですか?」

「そう、花京院に。タワーオブグレーと戦ってるとき、私の所にハイエロファントグリーンの触脚を伸ばしてくれたでしょ?」

「…あ!」

花京院は忘れていたのか、少し間があいてからうなずく。

「乗客は殺されちゃうし、あなたも攻撃されて…すごく不安だったの。でも、ハイエロファントグリーンに触れたときに、大丈夫だよって言われた気がして、落ち着くことができたわ。」

「君があまりにも泣きそうな顔をしていたからね。あのときはただ、自分のせいで悲しい思いはしてほしくない、とそう思ったんだ。」

その時の花京院の顔はすごく優しくて、思わず胸が高鳴なった。
いつものお堅い表情より、そっちのほうがずっといいのに。って、何考えてるのよ私。
私は誤魔化すように話題を変えた。

「せ、戦闘中によくそんな所見てたね。」

「ああ。ハイエロファントグリーンは射程距離が長い分、人の気配には敏感なんだ。」

そう言うと花京院はハイエロファントグリーンを出現させた。

「なるほど。射程距離が長いって、そんな応用がきくんだ。」

感心しつつ、私は体を花京院とハイエロファントグリーンの方に向ける。花京院も私の意図を察して、私に体を向けてくれた。

「ほんとにありがとう花京院、ハイエロファントグリーン。」

「私の方こそ、アンナさんには既に二度もお世話になっている。お互い様さ。」

「それから、私の事は呼び捨てでいいわよ。さん付けなんて、こっちが気を使うわ。」

「それなら、これからはアンナと呼ばせてもらう事にするよ。」

「ぜひぜひ、そうしてくださいな。見て、花京院!朝日よ!」

夜が明け、太陽の光が差し込んでくる。
それからまもなくして救助のヘリが到着し、私たちは香港へと上陸した。
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