第11章 スタンドという力 2
おじいちゃんは眠っているホリイちゃんに声をかける。
必ず救うから、安心しているんじゃよ、と。
私もホリイちゃんにいってきますのキスをした。
(ホリイちゃん、あなたの大好きな二人は私が必ず守って連れて帰るから。ちょっとだけ待っててね。)
「ジョジョのお母さん、ホリイさんという人は人の心を和ませる女の人ですね。そばにいるとホッとする気持ちになる。」
そういいながら、花京院は寝ているホリイちゃんの方をちらりと見る。
「こんなことを言うのもなんだが、恋をするとしたらあんな気持ちの女性がいいと思います。守ってあげたいと思う、元気な暖かな笑顔が見たいと思う。」
「うむ。」
花京院はきっと事情も知らないのに手当てまでしてくれたホリイちゃんに、少なからず情を感じていたんだろう。だから尚更、旅を志願したに違いない。
それにしても、いくらホリイちゃんを慕っているとは言え、ずいぶんロマンチックな表現をするのね。恋をするとしたら、だなんて。
男の人って、彼女にするなら、俺の女はとか、好みの女性を語るときは自分のものにする前提で話をするものだと思ってた。
これが日本男児の奥ゆかしさってやつなのかしら。
「アンナ!ボーっとするな。時間がない!すぐにも出発じゃ!」
そうよ、アホなことを考えている場合じゃなかったわ。
私たちはそれぞれ準備をし、急いで家を出た。
家の前には、spw財団の医師たちが大勢やって来ていた。彼らがついてくれるなら、きっと大丈夫ね。
「ジョジョ、出発の前に占い師のこの俺がお前のスタンドに名前をつけてやろう。運命のカード、タロットだ。」
承太郎の引いたカードはスターの暗示。スタンドはスタープラチナと名付けられた。