第53章 運命の車輪 5
「勝った!第三部完!!」
勝利を確信した敵スタンド使いは、高らかに笑った。
が、しかし…。
「ほう。それで誰がこの空条承太郎の代わりを務めるんだ?」
ボコッ!!!
地面の下から、承太郎が拳を突き上げて出てきた。
全身が燃えてしまう前に、スタープラチナで地面を掘って移動していたのだ。
なんという荒業…。躊躇のなさに思わず感心してしまう。
「承太郎!」
「まさか、てめーなわけがねぇよな。」
そこからの決着はあっという間だった。
スタープラチナが車のドアごとスタンド使いを吹き飛ばすと、腕だけムキムキの奇妙な体系をした男が出てきた。
「びっくり人間?」
「へんてこな奴だな。モリモリなのは腕だけで、あとは随分貧弱だ。」
先ほどの強気な態度とは一転、男は悲鳴を上げながら逃げようとする。
もちろん、全員で取り囲んでいたから逃げられるはずはないんだけれど。
「ひぃぃいい!金で雇われただけなんです!!!」
男は泣きわめきながら、必死に命乞いをしている。
戦意が喪失したことにより、派手な装いだった車もただのボロ車に戻ってしまった。
なんというか、どこをとってもハリボテだらけの男ね…。
「さしずめ、毛をむしり取られた羊というところか。なっさけないのう~。」
「「アハハハ!!!」」
思わず気が抜けてしまい、みんなで大声を出して笑った。