第50章 運命の車輪 2
ポルナレフが急いでハンドルを切るが、間に合いそうもない。
スピードが落ちないまま、真っ直ぐトラックの方に進んでいく。
「スタープラチナ!」
承太郎が間一髪のところで、スタープラチナを出しトラックを拳で殴り飛ばした。
直撃は免れたものの、反動で車が大きく跳ね上がる。
宙を舞う車はそのまま崖の方へと傾いていった。
まずい、このままじゃ崖から落ちてしまう。
「ソードマゼンダ!」
私はソードマゼンダで風を起こし、跳ね上がった車を道路にゆっくりと着地させた。
「あ、あぶねぇ!スタープラチナのパワーが無かったら、俺たちグシャグシャだったぜ。」
「ええ。それに、ソードマゼンダの風のおかげで、崖から落ちずにすみましたね。」
花京院はこちらを見て、ニコリと微笑んだ。
私も笑顔を返すと、隣でアンちゃんが嬉しそうにこちらの脇腹をつついてきた。
まったく。
意識しないように頑張ってるんだから、そんな風に煽らないでよ。
「どこじゃ!あの車はどこにいる!?」
おじいちゃんの声にハッとしてさっきの車を探してみたが、もうすでに走り去ったあとだった。
「どう思う?今の、ただの難クセ野郎だと思うか?それとも追手のスタンド使いだろうか?」
ポルナレフは追手に決まってる!と声を荒げていたが、今の所スタンドらしきものは見ていない。
とにかく、次に何か仕掛けてきたらとっ捕まえるのが一番よ。
スタンド使いじゃなかったとしても、私達の命を狙ってきたことには間違いないのだから。
さっきまでの賑やかな空気とは一転、みんな神妙な面持ちで車に乗った。