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【ジョジョ】タロット~剣の暗示を持つもの~

第50章 運命の車輪 2



「ん…。」

目を覚ました私は、大きなあくびをした。
パキスタンへと向かっているはずだけど、到着まではまだまだ時間がかかりそうね。
窓の外は、寝る前と変わらず殺風景な山道が続いていた。

「ん?もう起きたのか?もう少し眠っておっても良かったのにのォ。」

私が起きたことに気がついたおじいちゃんが、私の髪を名残惜しそうに触っている。
私が寝ている間も、好き放題していたようね。
少しは孫離れしなさいよ、おじいちゃん。私も人のこと言えないけどさ。

「このまま寝てたら、私の髪の毛好き勝手にアレンジするでしょう?」
「アンナはどんな髪型をしても似合っとるからのォ。触り甲斐があるわい。」
「はいはい。もう、サービスタイムはおしまいよ。」

私は苦笑いしながら、おじいちゃんの手を軽く払った。
唇を尖らせて拗ねているが、私の知ったことじゃあない。

フッと笑うと、私は改めて車内を見渡した。
アンちゃんが運転席の方に前のめりになって、何やら熱心に話しているようだった。

「あ、お姉さん起きたのね!」
「ええ。おはよう。」

アンちゃんは軽く私に挨拶すると、再び前を向いて話し始めた。
ポルナレフも花京院も、隣りに座っている承太郎でさえも話を聞いている様子はないのに、お構いなしに自分の話を熱心に語っている。

「さっきからずっとこの調子でのォ。」

おじいちゃんが、苦笑いしながら私に耳打ちした。

ほんと、タフな女の子ね。
1人でここまで旅してきてたことにも、妙に納得がいった。
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