第45章 女帝と水の聖杯 4
「こいつ、どうします?僕としては許す気は微塵もありませんが。」
「そう言えば、お店のカップを割っちゃったから弁償しなきゃと思ってたのよね。あなたのスタンドと、“まとめて”修理したらどうなっちゃうのかしら?」
アンナさんはスタンドの破片と、商品のカップの破片を拾い上げ、ソードマゼンダで融合させた。
「これで、あなたのスタンドはただの割れやすいカップになってしまったわ。今まではスタンドでしか割ることができなかったけれど、今は落としただけでも割れちゃいそう。さ、承太郎。」
アンナさんはニンマリと笑って、そのカップを承太郎に手渡す。
「次にあんたは、『やめて、やめて。それだけは。』と言う。」
「やめて、やめて。それだけは…。はッ!」
「ダメよ。人に愛を説くのなら、まず自分が何かを大切に愛さないと。そのカップを後生大事に愛することね。」
スタープラチナは、カップを手に大きく振りかぶっている。
「大丈夫。スタープラチナのコントロールは正確よ。割れないようにガンジス川まで飛ばしてくれるわ。」
アンナさんの声に答えるように、スタープラチナがカップを空高く投げた。
「オラァ!!!!」
「や、やめてぇぇえええ。私のカップがっ!私のスタンドがぁああ!」
女は気が狂ったように叫びながら、カップの飛んでいった方へと走っていった。
「卑劣なスタンド使いだったけど、水に流してあげるわ。ガンジス川だけにね。チャンチャン♪」
「…花京院。てめー、こういうダジャレを言うやつってよ、ムショーに腹が立ってこねーか?」
「ふッ。どこかで聞いた台詞だな、承太郎。」