第6章 悪霊にとりつかれた男 3
それから私たちは近くの喫茶店に入った。
アヴドゥルはさっきの手合わせで、承太郎を口は悪いけれど根は良いやつだと見抜いたみたいで少し機嫌が良さそうだった。
承太郎はそんなアヴドゥルが気に入らないようで「態度がでかい」と突っかかっていたが、当のアヴドゥルはどこ吹く風。
大人だなぁ、アヴドゥル。
それからおじいちゃんは承太郎に、スタンドの事、私たちジョースター家の宿命とディオとの因縁、そして新たな危機が迫っている事を説明した。
最初は話を全然信じていなかった承太郎も、話が確信へと迫り、おじいちゃんのハーミットパープルでディオの姿を写し出す頃には冷や汗をかきながら話を聞いていた。
おじいちゃん、高いカメラ壊した甲斐があったね。
話をすべて聞いた後、それについては触れることなく、承太郎はひとつ質問をした。
「おいじじい、そのディオとか言うやつと戦うことになるなら何故アンナを連れてきた。まさか、スタンドを持っているというだけの理由でこいつも戦いに巻き込む気か?アンナは平坦な道でも転ぶようなやつだぜ。」
承太郎は、おじいちゃんを食ってかからん勢いで睨み付けている。
「そうじゃな、アンナに関してはまだ話しておらんことがある。」
おじいちゃんは承太郎の視線など意にも介さず話を続けた。