第39章 幕間 2
花京院のことについてですが。
単刀直入に言います。
私は、花京院のことが好きになってしまったようです。
彼は、不思議な男ですね。
柔らかな物腰と、一線引いたような丁寧な態度。
それの態度が、人と距離を取ろうとする自分にも似ていて、最初は親近感を覚えました。
でも彼が一線を引いていたのは「心を通わせたいと思う者と関わりたい」という彼の気持ちから。
私が人を避ける理由とは、真逆のものでした。
臆病者の私と違い、仲間の窮地には身を挺して助ける熱い心を彼は持っていました。
そんな誇り高い彼は、私にとってとても眩しい存在でした。
自分の気持ちには鈍感だったようで、道中一緒だったアンちゃんに指摘されるまで、自分が恋に落ちていることにすら気がついていませんでした。
恋心に気がついてからも、初めての感情が渦巻いて取るもの手につかずな状態です。
でも、旅の道中は恋にうつつを抜かすつもりはないので安心してください。
(隣りにいると少しドキドキしてしまうのは、許してほしい)
話がそれてしまいましたが、彼のおかげで、自分の気持に少しずつ変化が現れています。
花京院の態度を見れば、彼が私を“大切な仲間”だと思ってくれているのがよくわかります。
私はそれがすごく嬉しいと感じるのです。
彼が私を“仲間”だと思ってくれているのなら、彼の隣で胸をはれる自分になりたいとそう思えるようになりました。
いつかアヴドゥルが言ってくれていましたね。
「安心して背中を預けられるようになれればいい」と。(31章参照)
今になって、ようやくその気持がわかるようになってきました。
彼に信頼されているのと同じように、自分も彼を信頼したい、と。
対等な関係でいたいと思うのです。
自分の変化に戸惑いはあるけれど、逆にそれが楽しいとも思っています。
この手紙くらい、思っていることを自分の口で言えるようになるからね。
アヴドゥルが湿っぽい話が苦手なのは知っているので、寂しいとかそういった気持は書かないでおきます。
いつか、また笑顔で会いましょう。
あなたの友人
アンナ・ジョースター