第38章 幕間 1
「自分の勝手でアンナを傷つけるのが、てめーの愛情か?じじい。」
承太郎はジョセフを睨んだが、もうその視線には慣れっこらしい。
生きてることには違いないのだからいつ伝えてもいいじゃろう?と何でもないような口調で返事を返した。
「承太郎、お前さんも大概アンナに甘いのう。そんなにあの子が泣くのが嫌かい?」
「アンナが普段、全く泣かねーやつなのは知ってるだろう。」
「まあ、そうじゃな。」
ジョセフはそう返事をすると遠い目をした。
「あの子もこの旅で、置いてきた感情を取り戻しつつあるんじゃよ。あの子には酷だが、良いクスリになるじゃろう。だから、くれぐれも余計なことは言うんじゃないぞ。」
…やーれやれだぜ。
「あとでバレたときに、どうなっても知らねーからな。」
その時は助けてよ~ン!と軽く返事をしながらジョセフはその場を後にした。
承太郎は、ただ黙ってアンナが泣き止むのを部屋の外で待つことにした。