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【ジョジョ】タロット~剣の暗示を持つもの~

第35章 皇帝と吊られた男 3


花京院side

それは、あまりにも一瞬の出来事だった。
アンナが背中から血を流して倒れた次の瞬間、
アブドゥルさんも背中から血を流していた。
そして、アヴドゥルさんは倒れたところをホル・ホースと名乗る男の弾丸に額を撃ち抜かれた。
それからアブドゥルさんは目を覚まさなかった。
ホル・ホース曰く、アンナは生きた状態でディオのところへ連れて行くため重症だが死んではいない。
それでも早く止血をしなければいけないほどの傷だということはわかった。
エメラルドスプラッシュで敵をひるませた隙きにトラックに乗り込み、
ハイエロファントにアンナを抱えさせ、僕はポルナレフをトラックへ引き上げ逃げてきたのだ。
ポルナレフがアンナの背中の止血をし、今に至る。

「それは仲直りの“握手”のかわりだ、ポルナレフ。」

そう言うと、僕はポルナレフに肘鉄を食らわせた。

「ああ。サ、サンキュー。花京院…。」

「今度奴らが襲ってきたら!僕たちが倒す。」

たった数日間しか一緒にいなかった僕やポルナレフでさえ、アブドゥルさんの無念の死は許しがたいことだった。アブドゥルさんは僕らにとって共に戦う仲間であり、それほどに信頼の厚い人だった。

「そうだな。」

ポルナレフは返事をしながら、僕と彼の間で気を失っているアンナの方を見た。僕も同じようにアンナへと視線を移す。
アンナの真っ白いシャツが一面血で染まり、彼女自身も無事ではないことを物語っている。それを見てポルナレフは顔を歪ませた。亡くなった妹と彼女を重ねているのだろうか。

アンナは僕たちとは比べ物にならないほど長く、アブドゥルさんと一緒にいた。心を開いて何でも相談できる存在だったのも僕は知っている。アンナが目を覚ました時、アブドゥルさんの死を知ったらどれほどショックを受けるだろうか。
アンナの命だけでも助かってよかったと思う反面、彼女がこれから負う心の傷が心配だった。
理由は違えど、僕とポルナレフはおそらく同じことを思っているだろう。アブドゥルさんのためにも、彼女だけでは守らなくてはならないと。


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