第4章 悪霊にとりつかれた男 1
「ホリイちゃん、久しぶり!」
「アンナちゃん!?」
ホリイちゃんは私を見て少し驚き、そのまま私の方に駆け寄ってきて勢いよく抱きついた。
「アンナちゃんも来てくれていたのね!会えて嬉しいわ!!キスさせてちょうだい。」
人前でそんなこと、と言いたかったが
ホリイちゃんがあまりに無邪気な笑顔で言うものだから断ることもできず、
「私もあえて嬉しいよ。」
と返すしかなかった。
アヴドゥルが物言いたげな顔でこっちを見ていたが、あえて気づかないふりをした。言っていることやっていることが違うことくらい私だってわかってるわよ。
「おーい、何をしとる。仲良くお話なんぞしとる場合じゃあないだろう。早く来んか!」
「はいよー。」
良いタイミングでおじいちゃんが声をかけてくれたので、軽く返事をしつつ、ホリイちゃんの体を自分から離して歩き出した。
「自分だってさんざんホリイちゃんとしゃべってたくせに、ねぇ?」
「ふふふ、そうね。それにしても、アンナちゃんが会いに来てくれたとわかったら承太郎もきっと喜ぶわ!」
あいつが素直に
「アンナが来てくれて嬉しい!!」
何て言ったら、ディオの侵略の前に日本が終わるんじゃあないだろうか。
そうならないことを願いつつ(100%ならないだろうけど)、承太郎のいる留置場へ向かった。