第2章 烏野高校排球部!
―――とりあえず中に入ろう
気まずい沈黙を破り、私は第二体育館へ足を踏み入れる
『えーと、はじめまして。1年4組です。バレー部の見学に来ました』
へらっと何事もなかったかのように笑顔をつくり、2人に自己紹介をする
影「...影山飛雄。1年3組」
日「あっ、おれ、日向翔陽!1年1組!おれもバレー部入るんだ!」
あ、よかった。普通に挨拶返してくれて
あんだけ言い合ってた中突撃してしまったもんだから無視されるんじゃないかと思った
『えーと、2人は知り合い?』
日「いや、中学の頃、バレーの試合で....コイツに...負けたというか...」
ゴニョゴニョと徐々に小さくなる声
なるほど、日向くんにとっては宿敵というわけね
日「でも!次は必ずおれが勝つんだ!!!...っていう風に決意しておれは烏野に来たのに、なんでお前が居るんだ!同じチームに居たんじゃ倒せないじゃねーか!!」
影「...」
日「今は他にもっと”強豪!”って感じのトコがあるだろ!なんでソッチに行ってないんだよ!」
日向くんの必死の訴えを、相変わらず怖い顔で聞いている影山くん
影「県内一の強豪校には......おちた」
.....は?
日「落ちた!!?」
『あらら、影山くんは勉強苦手なんだね』
なんか面白いかも
あんなに俺様な感じで上から目線なのに...試験おちたんだ...フフッ...
日「”コート上の王様”なのに!?」
ここで笑うと影山くんに怒られそうなので、ひとり笑いを噛み締めてると横で日向くんがそう叫んだ
”コート上の王様”?
影「...........オイ...その呼び方......」
その言葉を聞いた瞬間、体育館の温度が氷点下まで下がった
影「ヤメロ。」
日「!!??」
本気の怒りを露わにした影山くんに日向くんはまたもやビビりまくっていた
まぁわかる。だってマジで今のガチギレモードの影山くん、人殺しそうな目してるもん。
まさに蛇に睨まれた蛙のようだよ日向くん。
巻き込まれたくないのでそっと距離をとる
そして再びなんとも言えない沈黙が続いた
え、これどーしよ。どうすればいいのこの沈黙助けて