第2章 烏野高校排球部!
ボールが直撃した衝撃で、教頭の頭から黒い物体が飛んでいく
しばらく宙を舞ったソレは、ふぁさっと、澤村先輩の頭に着地した
澤「!!」
固まる空気
菅「だっ大地...!」
影「...アレ...ヅラだったのか...」
『え、気づいてなかったの?』
日「皆入学式で気づいてたぞ!」
田「ブォッフ!お前ら...!プクク...!黙れ!」
菅「田中も黙れ!」
影山くんの一言で張り詰めた空気は崩れ、皆好き勝手話だす
菅原さんは焦りながら騒ぎ出した後輩を止めようとしていた
教頭「........澤村君.....ちょっといいかな....」
視界の隅で教頭に呼ばれ深刻そうな顔で体育館を後にする澤村先輩が見えた気がする...
――――――30分後
澤「―――幸いにもお咎めナシ、謝罪も要らない」
教頭と長い話し合いから無事帰還した澤村先輩が告げた。その言葉に全員がほっと息をつく
澤「――――が、何も見なかったことにしろ」
菅田「「『......』」」
澤村先輩顔こわ...というか空気がやばい...
キュッと口を結ぶ私
澤「だがお前ら...」
影「お前がちゃんととらないからだ、へたくそ。何が”去年とは違う”だ、フザケんな。期待して損した、クソが。」
日「いちいち一言余計だなっ」
またも喧嘩を始める2人。
あの人達、澤村先輩ブチ切れてるのに気づいてないのか...???それともバカなの??
澤「――――――なぁ。少し...聞いてほしいんだけどさ。」
『ヒッ...』
菅田(ビク-ッッ)
低くなる澤村先輩の声
影日「?」
澤「お前らがどんな動機で烏野に来たかは知らない。けど、当然勝つ気で来てるんだろ?」
日「ハイ!」
影「もちろんです!」
澤「―――烏野は、数年前までは県内ではトップを争えるチームだった。一度だけだが全国へも行った。
でも今は良くて県ベスト8。特別弱くも強くもない。他校からの呼び名は―――
落ちた強豪”飛べない烏”」
『”飛べない...烏...”』
影日「「.....」」
田「全く誰スかね、そんなポエミーで失礼な名前つけやがったのは!」