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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第12章 緋色の和解 【安室】


「〝私〟は、君と対等に並びたいと思うよ」
「…青黛さん」
その真っ直ぐな視線に安室は胸が熱くなるのを感じた。
「なんて、よくわからない話になっちゃったかな?」
「…いえ」
冷めてしまったコーヒーを口にして十華は溜息をついた。
「わかっているとは思うけど、赤井秀一が生きていることは」
「ご心配なく。ベルモットには、やはり赤井が生きているというのは僕の思い過ごしだったと話してあります」
「良かった。秀一が生きていることが知れると、まず危険なのは水無怜奈だから…」
赤井秀一の死の偽造に協力したキールこと水無怜奈を、ジンは容赦なく殺すだろう。それは避けなくてはならない。
「大体の事は話せたかな…ごめんね、夜遅くに」
「いえ…僕も、話せてよかったです」
言って十華は堰を立つ。この時間だが念の為裏口から出る。
「それじゃ…また」
「えぇ…また」
そのまま別れるかと思ったが、十華がすっと右手を差し出してきた。ぽかんとなった安室だったが、すぐにその意を把握し、自らの右手をその手に交わした。笑みを浮かべて身を翻した十華の背中を、彼は見えなくなるまで見送った。
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