• テキストサイズ

人生は常に事件に満ちている【コナン】

第11章 緋色の真相 【安室/公安男】


安室透、バーボン、そして降谷零。みっつの顔と名を持つ男の目が見開かれた。
『恐らく俺の身柄を奴らに引き渡し、大手柄を上げて組織の中心近くに食い込む算段だったようだが…これだけは言っておく…』
赤井が少し、間を置いた。
『目先の事に囚われて…狩るべき相手を見誤らないでいただきたい…。君は、敵に回したくない男の一人なんでね…』
「…」
『それと…彼の事は、今でも悪かったと思っている…』
「っ!」
ギリ、と安室が、赤井のそばできいていた朔司が奥歯を噛み締めた。その言葉を最後に、赤井はスマホを朔司へと返す。
「…テメェ…」
「…君も彼を知る者か…」
朔司は答えなかった。だがその怒気を纏った眼差しで赤井は悟る。そして赤井を乗せた車は彼らから離れて行った。朔司は止まないものを抑えながら、スマホを顔へと持ち上げる。
「……引き上げるぞ、降谷」
『……あぁ…』
安室―降谷は朔司に撤収を指示。自信も昴に勘違いだったと謝罪し、引き上げて行った。








もういいよ、と言われて部屋を出る。小型モニターを彼に返し、ふうと息をついた。
「正解、だったわね」
言うと、下にある視線がうんと頷いた。
「…良かった」
「え?」
「なんでもないわ」
ふ、と十華は、首を傾げるコナンに笑みを浮かべて見せた。








翌日。ジョディとキャメルは工藤邸を訪れた。優作はすでに家を出ており、優作としてマカデミー賞の受賞会場に行っていた有希子も、一時帰宅していたがもう行ってしまったらしい。それと入れ替わりにか、少年探偵団の子ども達が来ているようだ。小さな靴がいくつも並んでいる。否、元太のものは大きいが。十華はその様を見て小さく笑うと、買い物袋を引っ提げて台所に向かった。
「十華、どうしてここに!?」
「昨日からいたわよ?あ、今は買い出しに行って来たけど」
「えぇ?」
昨夜安室がこの家を訪れた時、十華は別室に待機していた。安室が部下を家の中に乗り込ませるという強行手段に出た時に対応するために。
「十華は知ってたの?」
「どれを?」
「どれって…シュウが生きてたことよ!」
「あぁ、それね」
軽い事を言うように十華は頷く。
/ 57ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp